◇売上が少ないうちは貸さない?
今年4月に開業したBさんは、5月中旬に愛知県の「新事業創出資金」で250万円申し込みました。
Bさんが開業したのは耳つぼダイエット。最初は友達からだんだんお客さんが広がって、「子育て中のママさんも気軽に集まれる店を開きたい」ということで、開業計画を立てて書類をそろえ、愛知県信用保証協会に申し込みました。審査に来た担当者も熱心に耳を傾けてくれたのですが、1週間後に来た返事は「貸せません。」
理由を聞くと「開業後2ヶ月たって、売上が上がってきたら貸します」というのです。納得できないBさんが事務局員2人と県保証に交渉すると、応対したA課長はさらに驚くべき発言をしました。
「開業後1ヶ月目の売上が少ないので現状ではお貸しできません」
「開業直後だから少ないのは当たり前。これからお客も増えていくし現に増えている」とBさんが懸命に説明しましたが、「それでは増えてから申し込んでください。」 それでは開業資金とはいえないではないか、開業まもなくの方はどうするんだと言うと「大体開業1ヶ月なんかで申し込みに来るほうが間違いだ」とまで言い放ちました。
全然らちがあかないので、そのまま愛知県庁の中小企業金融課に言って事情を説明、県保証への指導を求めました。応対した職員も「それはおかしいですねぇ」と首をかしげ、翌日さっそく県保証に電話したようで、県保証からBさんに「売上に内容やお客さんの状況を聞きたいので再度話し合いたい」と連絡が入りました。Bさんの顧客台帳などを見て「確かにお客さんが順調に増えていますね」と確認、4日後に全額の借入が決定しました。
それにしても、開業資金なのに「実績がないから」と貸し出しを渋るとは、県保証はどうしてしまったんでしょうか?
(2006.6.26)