開業したばかりの人に「実績を積んで」と無理難題
蟹江支部のA(造園業)さんは3月に開業したばかり。急な独立で、自己資金も十分にありませんでした。「融資なら民商にいくといいよ」と教えられ、3月末に来所、4月に機械・車両プラス運転資金450万円の申込用紙ができてさっそく県保証にもって行きました。 ところが県保証は、Aさんの仕事を聞いて「始めたばかりなので1日いくらで仕事をもらっている」と答えると「そういう業者にはお貸しできません」と門前払い。「開業後すぐにいい仕事がもらえるはずがないじゃないですか」といっても取り合ってくれませんでした。
数日後民商の事務局員と一緒に再度県保証に行き、ご近所から直接もらう仕事も少しはあるというと「そういう話もあるなら(そっちが聞かんかったんじゃないかっ)受け付けます」とようやく受理。審査にこぎつけました。
ところが審査結果は「実績が十分ではないのでお貸しできません」というもの。通常資金ならいざ知らず、「開業資金」でどうしたら「実績」がつくれるのでしょうか?
納得できないAさんは24日に民商で県保証との交渉に臨みました。すると県保証の担当者は「開業する際には機械や車両などを自分で準備するというのが本当の開業だ」というのです。そういう人は開業資金の融資の必要がありません。技術ややる気があっても資金が不足している方のためにこそ開業資金の融資制度があるんじゃないですかと訴え、実際に機械が入ればすぐにでも取れる仕事があることを説明する中で、翌日Aさんに「車両を除いて、機械と運転資金の分だけまず融資します。車両はもう少し実績を積んでから再度申し込んでください」という返事がありました。
Aさんは「機械と運転資金があれば、すぐにでも仕事が取れる。一人では『だめだ』といわれるとあきらめてしまったと思います。民商で一緒に交渉してよかった」と話しています。