心臓発作で苦しむ納税者尻目に「差押えのため捜索」に抗議の交渉

◇緊急の呼びかけに14名で交渉
  先週号でお知らせした「心臓発作で苦しんでいる納税者を尻目に『捜索』を強行」「家賃や光熱費・医療費や生活費も差押え」に対し、緊急の呼びかけにこたえて10日午前10時に14名が集まり、津島税務署に抗議・交渉を行いました。
◇「法律に基づいた適正な処理」と居直り
  まずAさんが「妻の生命を脅かしたことに謝罪を」「誠実に分納していたのに犯罪人まがいの強制捜索をしたことに謝罪を」「差押えた売掛金は仕入れ代金及び家賃・光熱費・生活費に不可欠なので差押えの解除を」とした請願書を提出しました。ところが津島税務署の都築総務課長と不破徴収部門統括官は真剣に読む様子もなく、「法律に基づいて適正に対応したと聞いています」と居直り。具体的な追及をされると「個別のことはAさんにしか話せない」と逃げの一手を決め込もうとしました。
  Aさんが「ウソも隠しもない、私が帰宅したときは妻が倒れこんでいた。さっそく病院に連れて行ったが治療代も払えない。夕方平田署員に電話して抗議したら「(捜索をやめて)帰ったでしょ」という返事。そんな言い分があるか。取引先の売掛金を差押えようとした女性署員に『このお金がなかったら家賃も払えず住むところがなくなる』と訴えたがそれでも差押えて行った。病人を抱えてどうすればいいのか。税金払えないものは死ねということか。ずっと仕事がなくて、今年初めての仕事が決まっていたのにその矢先にこんなことやられてキャンセルされてしまった」と切々と訴え。鬼頭税対部長や参加者も口々に「憲法の生存権をどう考えているのか」「国税局も国税庁もこんな納税者の実情を無視した差押えはしないといっているではないか。返事できないでは済まされない」と追及しました。
  しかし税務署は、「病気については配慮したと聞いている」というものの「一体何を『配慮した』と報告されているのか」と聞くと『気を使いましたと聞いている』と答えにならない答え。「Aさんや奥さんに謝罪する考えは」にも無言。「捜索をやめて帰ったという判断は正しかったと思うか」「適切な判断だった」「ならばその判断にいたるのに90分かかり、それまでは『捜索を強行する』として奥さんを苦しめた。そのことは正しかったと考えているのか」という質問にも無言。苦しい答弁には「黙秘」戦術であくまで謝罪らしき言葉はありませんでした。
◇「生活費も差し押さえる」と明言
  さすがにAさんの苦しい生活実態の訴えについては耳を傾けて聞いていましたが、差押えの解除については「検討する」のみ。「仮に現金が5万円あって、明らかに生活費とわかっていても差し押さえするのか」という質問に対し「現金に色はついていないので、差押えるというのが答えです」と生存権などそっちのけの回答もありました。
  夕方税務署からAさんに電話があり、「売掛金は債権ですから差押えは解除しません」という「回答」があったとのことです。Aさんは「みなさんにたくさん集まってもらって、私も言いたいことを全部言うことができました。しかし税務署は非を認めない。家族のためにもがんばってたたかいたい」と話しています。
◇「苦しんでいる様子はなかった」真っ赤なうそで上司に報告
  なお、事態を知った共産党の佐々木憲昭衆院議員と村高秘書は14日、国税庁に事態の調査と差押え解除を要求しました。すると、驚いたことに国税庁の回答は「津島税務署に問い合わせたが、『奥さんは胸を押さえてはいたが、苦しそうな様子はなかった』と言っている」というものでした。直近に納税している事実も報告されずに「やむをえない差押えだった」と弁解しているそうです。
  奥さんが苦しそうにうずくまって、手が震えている状態だったのは家族はもちろん立会った事務局(安井)も見ています。安井が「奥さんがこんな状態でも(捜索を)やるのか」と平田・奥山署員に抗議しても「家族が無理でも役場職員の立会いで捜索できると法律に書いてある」と強行しようとした事実、あくまで強行しようとして役場職員まで呼んだ税務署が『捜索』をやめて帰らざるをえなかったことを、どう説明するのでしょうか? 
  ひどいことをやっておいて、本人に抗議されたら答えもせず、そのくせ部内では『苦しんでいる様子はなかった』と事実をねじまげて言い訳するなど、税務署には一片の良心も感じられません。「真っ赤なうそ」そのものです。民商は引き続き税務署交渉を行い追及していく方針です。
(つしま民商ニュース 2011.2.21号)
解決編へ