蟹江町の年金差押え 交渉で全額返還

  瀬戸尾張旭民商会員のAさん(店舗デザイン)は、もともと蟹江町で営業していましたが保証人になって多額の債務を抱え、昨年9月に自己破産、住み慣れた自宅も人手に渡り、現在は尾張旭市で年金を頼りに細々と事業を再開しようかという状態でした。
  ところが蟹江町は、蟹江町在住時の税金が滞納しているとして5月末に「差押え予告書」を送ってきて、6月はじめにAさんが電話で自己破産したことや家族の病気を説明したのに聞く耳を持たず「払わなければ差押え」と脅すばかり。
  とうとう6月6日になけなしの残高854円の預金の差押えを強行、続いて14日に振り込まれた年金26万円あまりも、振り込まれた瞬間に差押えて持っていってしまいました。
◇生きていけないと訴えても「蟹江町の知ったことではない」
  「年金は唯一の生活の糧。これでは死ねということか」と訴えましたが蟹江町のK職員からは「蟹江町の関知することではない」と冷たい返事が返ってくるだけ。困ってしまって瀬戸旭民商に相談し、瀬戸旭民商から津島民商にも連絡が来て、「とんでもないことが起きた。全力で交渉しよう」ということになり、18日に蟹江町交渉が行われました。
  当日は瀬戸旭民商から大野会長以下5名と津島民商から鬼頭税対部長・板倉会計・宮松蟹江支部長・事務局2名が参加、愛商連の服部副会長・赤旗記者も加わり、Aさん含め13名が蟹江町役場に集合、蟹江町は税務課長ほかが対応しました。
◇鳥取県より悪質な年金横取り 合理化できず返還を約束
  Aさんが経過を記した要望書を提出して「差押えた年金を返してください」と訴え、民商から鳥取地裁で4月に出された判決を報道した商工新聞を渡し、「鳥取県の児童手当の差押えは『正義に反する』と断罪されたが、今回の蟹江町のやり方はそれ以上。断じて許せない」と厳しく抗議しました。
  年金を直接差押えるのは、金額が少ないため1円も差押えることができないAさん、預金になれば良いだろうと差押えを強行したと思われますが、これこそまさに鳥取地裁が『正義に反する』と断罪したやり方そのものです。さすがに税務課長も通帳を見て「これは明らかに年金を差押えた形になっている」と認め、「全額を返還し、その後納付相談を行います」と差押えた年金の返却を約束しました。
◇「これで営業も生活もがんばれる」
  『困り果ててインターネットで調べて瀬戸旭民商に相談に生きましたが、まさかこんなにたくさんの方が一緒に交渉してくれるとは思いませんでした。おかげで年金が返してもらえることになり、生活も営業もがんばれます』とAさん。津島民商の鬼頭税対部長は『これから税金をどう払っていくのかということも大事。最後まで民商で相談してがんばっていきましょう』とあいさつしました。

(つしま民商ニュース 2014.6.24号)