国税局が非を認め、謝罪


 15日、津島市のある会員さん(Aさん)の相談で、津島市が税の滞納が累積している納税者の取立て・差押え業務を愛知減税事務所に引き継ぎするぞ、と脅す文書(下写真)を送っていることが明らかになりました。
  Aさんはすぐに市役所に事情を説明したのですが、「滞納額の半年を一度に払い、残りを1年以内に払うという約束ができなければ、このまま県税事務所に送ります」と言い放ち、何の相談にも乗ってもらえなかったということで、民商に相談に見えました。話を聞いてすぐ事務局と伊藤恵子市会議員(日本共産党)といっしょに再度津島市役所収納課に事情を説明しに行ったところ、はじめは「すでに県税事務所に名簿を送ってしまった。どうにもなりません」と言っていましたが、最後には「22日に納付計画をもってくる。それで再度検討する」ということになりました。

●市役所の独走
  それにしても今回の津島市の対応には大きな問題点があります。
  そもそも今回の措置は「今年6月から始めた」(市役所職員)ということですが、市議会など公式にはかられることなく、行政の独断で行われています。納税緩和措置(納税の猶予や滞納処分の執行停止)など納税者の利益になる措置に誰が対応するのかということは何も知らされていません。また「県税事務所に送ったのは無財産の方」(同)とのことですが、そうであるならばそもそも市役所の段階で滞納処分の執行停止を行うべきであって、財産もなく、納税資金もないという苦しんでいる納税者を県税事務所に「まる投げ」して厳しい取立てに回すなどということはあってはならないことです。

●津島市と交渉 「納税緩和措置は津島市が責任」を認める
  全国各地で県税事務所や「租税債権回収機構」などといった機関による強引な差押え・取立てが社会問題となっています。津島市でこのようなことが起きないよう、津島民商は6月23日午後2時から津島市と懇談しました。津島市側は野村総務部長・木全収納課長・品川税務課長・伊藤保険年金課長ほか7名が出席し、民商からは加藤副会長・三輪隆常任理事ほか5名が参加。日本共産党の杉山・伊藤両市会議員が同席しました。
  はじめに加藤副会長からあいさつがあり、申入れ事項に沿って津島市から回答がありました。「県税事務所への「引継」に関する取り決め事項・趣旨・対象・件数・金額等の情報を開示して頂くこと」については、「高額・滞納整理困難である事案で再三の催告や納付相談に応じず、滞納が数年に及び納税意識が欠如している方で明らかに資力がないとか誠実に分納している人を除き75件が対象です」と回答。「悪質というがそうばかりでない納税者も含まれている。なぜ県に送るのか」ときくと「県は市より厳しい。差押えを粛々と進める。県が引き受けた事案の60%は解決の方向に向かっているという報告もある」と、徴収強化のねらいは明らかです。
  「納税者がこれまで市当局と話し合ってきた生活事情等の引継ぎをきちんとして頂くこと」「納税緩和措置の適用などの市民サービスは、引き続き津島市が行うこと」「『徴収の猶予』・『換価の猶予』などの猶予制度活用や、無財産・生活困窮などの方への滞納処分の執行停止を、実情をもっともよく把握している津島市の責任において積極的に行うこと」という申入れについては、当初「県に引継いだものについては、県に行ってもらわないと」という回答でしたが、猶予や執行停止の権限は引継ぎ後も津島市長にあることを示し、市は「猶予や資力がないことによる滞納処分の執行停止などの相談があれば市で対応する」と答えました。ただこのやりとりの中で「これまでさんざん話し合う努力をしたが応じてもらえなかったり約束を守ってもらえなかった方が、県に送られると行ったとたん市役所に来られても・・・」と納税者不信の発言もありましたが、「市は相談に来た納税者に、改めて話し合い実情に沿った納税ができる機会にするよう対応すべき」と杉山市議も発言、津島市も「これまでもそういうスタンスできたつもり。相談があれば応じます」と回答しました。
  なお民商会員で引継ぎ予告書が送られてきたAさんは21日津島市と交渉し、消費者金融の債務整理など生活再建の努力とあわせて分納計画を出し、市は県への引継ぎをやめることになりました。

●生活保護なみの低所得者への減免を「検討」約束
  住民税・国民健康保険税の減免制度として、「前年所得が生活保護基準の1.2倍以下の所得」「前年に比して2/3以下の所得に減少見込み」「その他資力がないこと」などの減免制度の拡充を、との申入れに対して、津島市からは下表のような減免制度を実施していると説明、「住民税の前年所得200万円というのも昨年4月にそれまでの120万円から基準を緩和したばかり、これ以上の拡充は難しい」という回答でした。

減免の対象
生保基準型
所得急減型
その他資力なし
住民税
生活保護受給者 前年所得200万以下で、本年所得見込みが1/2以下  

 

国保税
総所得33万円以下の世帯に対し保険税の30%を減免 前年所得500万以下で、本年所得見込みが2/3以下 非自発的な離職の場合

  しかし生活保護を受給していなければ、生活保護基準以下の所得しかなくても減免の対象にならないのはおかしいと要請すると、「今すぐとは約束できないが、おっしゃる意味は分かりますので部内で検討します」と答えました。また国保税の所得急減型減免について均等割・平等割も減免対象に含めるよう求めましたが、「毎年100名だった減免が昨年は200名になり、新たに始めた非自発的離職の減免申請もすでに100名来ています。深刻な実情は感じています」との答えながら、前向きな回答にまでは至りませんでした。

 
「民商ニュース」2010.5.31号より

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