自治体が勝手に個人番号を漏えい

●「マイナンバー」学習会開く
●「記載なくても罰則・不利益なし」税務署認める
●「市町村が勝手にマイナンバー通知」の犯罪的計画が進行中
●「個人番号記載するな」請願できる
●資料・書式サンプル

●自治体が勝手に個人番号を通知する犯罪的計画が進行中!!
 従業員さんに給料を払う時に住民税を天引きして徴収する「特別徴収」を行っている事業所に対し自治体が特別徴収税額を通知する際、2017年5月から、従業員さんにも事業所にも断りなく、従業員さんの個人識別番号(いわゆる「マイナンバー」)を記載する予定であることが、2016.10.17付商工新聞で報じられました。
 津島民商は、愛知県内の民商と足並みをそろえて、10月下旬に、海部津島地域の7市町村に対し質問状を送り、各自治体の対応を確認します。
●自治体があからさまなプライバシー侵害!
   昨年からはじまったマイナンバー制度では、従業員は勤務先事業所に対し本人や扶養家族の個人番号を提出し、事業所はその番号を「組織的」「人的」「物理的」「技術的」安全管理措置を講じて管理し、源泉徴収票その他の書類に記載して自治体に提出するとされていますが、従業員が番号の提出を拒否しても、また事業所が番号を記載せず書類を提出しても「なんら不利益はない」とされています。
 それなのに、自治体が一方的に事業所に対して番号を通知することになれば、これほどあからさまなプライバシー侵害はありません。
●事業所側から見れば「大迷惑」!
 事業所の側から見ると、マイナンバーをひとたび預かると「カギのついたロッカーや金庫を用意する」「個人番号を取り扱う事務机をパーティションなどで見えないように囲う」「個人番号のある書類を誰が受け取り、誰が管理するか、誰がカギを持つかなどの社内規定を決め、全員に徹底する」などの「組織的」「人的」「物理的」「技術的」安全管理措置を講じなければならず、不十分な管理体制で番号漏洩が起これば責任を負わされてしまいます。要らんといっているのに勝手に送られてきた番号で責任だけ負わされるなんて、「大迷惑」そのものではありませんか。
●番号記載の必要なし、かえって困ることに
 だいたい、特別徴収税額の通知書に、個人番号を記載しないと困ることは、何一つありません(あれば言ってみろ高市総務大臣!)。その一方普通徴収(市町村が納税義務者から直接徴収すること)の通知書には個人番号を記載しないのです。「本人への通知には番号を記載しない」が、「赤の他人である勤務先には番号を通知する」のは、個人番号のプライバシー保護の観点からは完全な逆転ではないでしょうか。
 また、特別徴収税額の通知書は、従業員さんの在籍確認のために他の官公庁などに提示提出することがありますが、そこに番号が記載されていればそれは「提示・提出できない」書類となり不都合が生じてしまいます。
●「ダメなものはダメ」 主張しよう
  今回の問題は、法律には全く根拠がなく、総務省が定めた地方税法施行規則の中の、特別徴収通知書の様式を定めた「様式三」の説明文に「番号を記載すること」と追加した「改正」だけが根拠です。姑息な「改正」で市町村に番号通知を指示する総務省は大問題ですが、それに無批判に追随する自治体も決して許せません。事業所に対しては「安全管理を」と強制しながら、番号付の書類を誰が開けるかわからない普通郵便で毎年送りつけて平気という神経は、個人情報の保護なんてどうでもいいといっているに等しいものではありませんか。
 津島民商は、各自治体の回答を待って申入れを行うとともに、個々の対策を強化します。(つしま民商ニュース2016.11.14号)
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●「マイナンバー漏れ」を中小業者の責任に擦り付ける大陰謀!!
 11/14号でお知らせした、住民税の特別徴収事業所に対し、自治体が勝手に従業員の個人番号(マイナンバー)を通知するかどうかなど、自治体の対応を確認した質問状の回答が届きましたのでお知らせします(回答書 まとめ)。
●津島市は「番号を提出しない従業員については提供せず」と回答
 残念ながら全ての自治体が特別徴収の通知書に個人番号を記載する方針であることが分かりました。ただし津島市は個人番号を提出しない従業員については番号を提供せず「***」と表記する方針と回答しており、この点では評価できます。
●法的根拠は「ない」
 いくつかの自治体が「法的根拠がある」と回答していますが、個人番号法にも地方税法にも、特別徴収通知書に個人番号記載を義務付ける規定はありません(回答のあった自治体に電話で問い合わせ確認しました)。個人番号法第19条とは「何人も、特定個人情報を・・・提供してはならない」という条文に続け、「個人番号利用事務を処理するために必要な限度で」の提供は例外として許可するといっているだけです。特別徴収を行う事業所の側から見れば、誰からいくら引くかがわかればいいのであり、個人番号なんで全く必要ありません。
●いずれ起きる漏えいと「成りすまし」 責任のいけにえに中小業者?!
 私たち中小業者には「安全管理措置など適切な対応を求める」といいますが、自治体の対応はどうでしょうか? 要らんといっている(現に必要ない)のに、氏名・住所・個人番号が一覧になった書類を、毎年普通郵便で第三者に送りつける、これが「個人情報保護」にとって「適切な措置」といえますか?
 マイナンバー制度をすでに実施している米国や韓国の例で明らかな通り、いずれ大規模な情報漏えい、「成りすまし」被害などが起きるのは必至です。その時問題になるのは「どこから漏れたか?」です。一番いけにえにされやすいのが、「管理が甘い」と思われている中小業者です。そこに個人番号をあえて提供するという国や自治体の対応は、情報漏えい責任のいけにえに中小業者を巻き込む陰謀ではないかとさえ勘ぐらざるをえません(だってこの間の個人番号の誤配などの問題に、国や自治体が責任を認めたことは一切ない)。
●請願書で意思示そう
 では、どう対応するか。
 個人番号や特別徴収への対応は個々の事業所・個人によって決定するものですが、このような理不尽には以下のような対応が可能です。
@特別徴収通知に個人番号を載せないよう、個々の事業所として自治体に要請して意思をはっきり示す
A聞き入れられない場合は、特別徴収を辞退する
Bそれでも送りつけられたら、受取拒否・または異議申立てか審査請求を行う
 民商は、回答書を寄せていただいた各自治体に、お礼と同時に民商としての見解を送付して特別徴収通知への個人番号記載するという方針の再考を要請しました(「当会の見解」はこちら)。
 @〜Bの対応を支援するため、自治体に個人番号を載せないよう意思を示す「住民税特別徴収と個人番号の取扱いに関する請願書」の案を用意しました。
●小さいように見えて、大きな問題
  個人番号の問題は、小さいように見えますが、行政が個人を本当に尊重する気があるのかないのかはっきりと示してくれるバロメーターです。そもそも個人番号漏れの危険があるのに強行したことそのものが問題ですが、その運用もこの有様。この国はどこまで一人ひとりを大事にしない国なんでしょうか?
  みんなで声をあげましょう! 声が広がれば、行政を変えることができます。

【資料・書式サンプル】
請願書(2016.9.29)
住民税の特別徴収通知書の個人番号記載についての質問状
同 質問状に対する回答(回答書:tiffファイル)
同 回答まとめ(excelファイル)
住民税特別徴収通知書の質問状回答のお礼とご報告 並びに回答に対する当会の見解について
住民税特別徴収と個人番号の取扱に関する請願書(案)
個人番号を提出しない 宣言書サンプル(長文:A4版)
個人番号を提出しない お知らせとお願い(短文:A5版)


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